早稲田大学は日本を代表する最難関私立大学として知られており、慶応義塾大学や上智大学と並ぶ有名校として名を馳せています。
当然人気も倍率も偏差値も高く、一朝一夕の付け焼刃的な受験勉強では到底合格を目指すことはできません。
今回は、早稲田大学に合格するための要素について解説します。
早稲田大学の入試制度
ここからは、早稲田大学に入学するための入試制度を紹介します。
多くの方がイメージするのは大学入学共通テスト利用入試もしくは一般入試かと思いますが、それ以外にも自分の強みを活かした多様な入試にチャレンジできるので、下記をチェックしながら可能性の幅を広げていきましょう。
一般入試
一般入試は、早稲田大学が定めた試験場において試験を受ける必要がある入試です。
原則として早稲田大学独自の3教科で実施する方式が採用されますが、英語4技能テストを利用する方式も存在します。
一般的な「大学受験」のイメージに最も近い手法であり、出題される問題も早稲田大学が独自に作成しています。
なお全学部で補欠合格者発表の制度があります。
一般入試の実施学部は、下記の通りです。
- 政治経済学部
- 法学部
- 教育学部
- 商学部
- 社会科学部
- 国際教養学部
- 文化構想学部
- 文学部
- 基幹理工学部
- 創造理工学部
- 先進理工学部
- 人間科学部
- スポーツ科学部
大学入学共通テスト利用入試
大学入学共通テスト利用入試は、その名の通り大学入学共通テストの成績のみで合否を判定する入試形態です。
あるいは早稲田大学独自の書類選考を加える学部もあり、その場合は早稲田大学が定める試験場で試験を受ける必要があります。
書類選考がない学部であれば、大学入学共通テストの結果を提出するだけで合格が決まるので、他の受験生より早く進路を確定できるというメリットがあります。
ただし、全学部で大学入学共通テスト利用入試を設けているとは限りません。
対象となるのは、下記の学部に限定されています。
- 政治経済学部
- 法学部
- 社会科学部
- 人間科学部
- スポーツ科学部
自己推薦入試
自己推薦入試は、高校時代のさまざまな活動を評価して合否を判定する入試形態です。
選考は原則として内申書に代表される書類審査、面接、小論文がおこなわれます。
ただし、内申書以外に自己PR書類や入学希望書を添付する必要があるケースもあるので、早めに準備しておくのが理想です。
自己推薦入試を実施している学部は少なく、下記2学部のみに限定されています。
- 社会科学部
- スポーツ科学部
AO方式等による入試
AO方式等による入試では、主に書類選考・筆記試験・面接などの組み合わせにより選抜をおこないます。
学部・学科ごとに出願条件が大きく異なるので、事前にチェックしておく必要があります。
また、面接だけでなく小論文・スピーチ・プレゼンテーション・グループワーク・グループディスカッションを課す学部もあるので注意しておきましょう。
なお、国際教養学部では9月入学選考も実施します。
AO方式等による入試の対象となるのは、下記の学部です。
- 社会科学部
- 国際教養学部
- 文化構想学部
- 創造理工学部(うち一部の学科のみ)
- 先進理工学部(うち一部の学科のみ)
- スポーツ科学部
FACT選抜
FACT選抜とは、人間科学部での学習を開始するに当たって入学者に期待される「5つの力」を総合的に評価し合否判定に用いる入試形態です。
人間科学部のみで採用されている方式であり、他学部受験生が利用することはできません。
なお、必要とされる「5つの力」は下記の通りです。
- 対話の力 Communication
- 論理の力 Logic
- 表現の力 Expression
- 分析の力 Analysis
- 省察の力 Reflection
1次選考として書類審査が、2次選考として論述試験と面接試験が課されます。
出願期間は例年9月頭からの1週間程度と、非常に早くかつ期間が限られているので情報をキャッチし損ねないよう注意しておきましょう。
新思考入試
新思考入試は、グローバルな視野と高い志を持って、社会的・文化的・学術的に地域へ貢献する意識を持った学生を優先して合格させる入試形態です。
すべての都道府県からの受け入れを目標とし、入学後は所属学部の学びに加え「地域への貢献」をテーマとした全学共通の活動をする前提を掲げています。
新思考入試での入試出願に至った志を、入学後の学びにつなげる「高大接続」型の入試制度と言えるでしょう。
新思考入試の対象となる学部は、下記の通りです。
- 法学部
- 商学部
- 文化構想学部
- 文学部
- 人間科学部
- スポーツ科学部
なお、北九州地域と連携した推薦入試として基幹理工学部の枠が専用に設けられています。
英語による学位取得プログラムへの入学試験
英語による学位取得プログラムへの入学試験(English-based Undergraduate Programs)は、英語による学位取得プログラムを希望する学生向けの入試形態です。
対象となる学部は、下記の通りです。
- 政治経済学部
- 社会科学部 ソーシャルイノベーションプログラム(TAISI)
- 国際教養学部(SILS)
- 文化構想学部 国際日本文化論プログラム(JCulP)
- 基幹理工学部
- 創造理工学部
学部のなかでも特定のプログラムへ出願する人だけに資格が与えられることもあるので、事前のチェックが欠かせません。
指定校推薦入試
指定校推薦入試は、学部ごとに指定した高校の学校長からの推薦者について入学を許可する入試形態です。
特定の高校の卒業生が特に優秀であったときに推薦枠が与えられる制度であり、出願できればよほどのことがない限り不合格になることはありません。
しかし限られた出願枠を巡って高校内で熾烈な校内選抜に課せられることが多く、内申書の点数や普段の素行が出願資格の獲得に大きく影響します。
指定校推薦の対象となる学部は、下記の通りです。
- 政治経済学部
- 法学部
- 教育学部
- 商学部
- 国際教養学部
- 文化構想学部
- 文学部
- 基幹理工学部
- 創造理工学部
- 先進理工学部
- 人間科学部
その他の入試
その他の入試として、下記の手法を取ることも可能です。
ただし高校生が出願資格に含まれていないものもあるので、参考程度にチェックしておくとよいでしょう。
・社会人入試
一度社会に出て就労した経験のある社会人を対象とした入試です。
書類審査・論文審査・面接により選考を実施します。
・eスクール入試(通信教育課程)
早稲田大学のキャンパスに原則として通学することなく、遠隔で授業を受ける学生の枠を設けています。
書類審査、面接による選考を実施します。
・学士入学試験
4年制大学卒業者(学士の学位を有する者)が対象で、3年次に編入できる入試形態です。
他大学では「編入試験」と呼ばれるのが一般的です。
年度により、学士入学試験での入学者を募集しない学部・学科・専修・コースが存在するので毎年変わる情報をチェックする必要があります。
・3年次編入学試験
短期大学もしくは高等専門学校の卒業者を対象とし、第3年次に編入できる制度です。
ただし、大学第2年次の課程修了者等は募集していません。
学士入学試験と同様に、年度によって学士入学試験での入学者を募集しない学部・学科・専修・コースが存在します。
早稲田大学に受かりたいならするべきことは?
早稲田大学に受かりたい場合、それなりの受験勉強を経る必要があります。
下記では、特に押さえておきたい受験のポイントを解説します。
最適な1日単位の学習計画
第一に、1日単位の最適な学習計画が必要です。
月ごと・季節ごとにやるべきことを分けて全体のイメージを持つことも大切ですが、最終的な合格は1日単位の学習を積み重ねた結果だと言えるでしょう。
早稲田大学の出題傾向を読み取り、自分に足りていない知識や苦手分野を浮き彫りにしたうえで、両方を照らし合わせた効率のよい学習計画を作る必要があるのです。
また、睡眠時間やリフレッシュの時間を削った無理のある学習をしていると、受験直前にスタミナ切れを起こすことがあるため注意しましょう。
学習計画づくりに不安がある場合は早稲田大学の受験に詳しいプロフェッショナルやコーチングサービスを活用し、パーソナライズされた学習サポートを受けることがおすすめです。
計画を確実に実行すること
第二に、前項で立てた計画を確実に実行することが必要です。
学習計画を立てた段階で逆転合格のイメージが根付いてしまい、満足してしまう受験生は意外と多いものです。
また、「1日の遅れであれば次の休みにカバーできるだろう」「リフレッシュも必要だから今は休んでおこう」と学習計画に反することをしてしまい、常態化してどんどんスケジュールに遅れが出てしまうこともあるのです。
早稲田大学への合格は、決して楽なことではありません。
他の受験生より遅れを取ってスタートするのであれば、学習計画もある程度厳しいものになるでしょう。
早稲田大学に合格したい!という強い意志を持ち、計画を実行していくことが大切なのです。
学習内容を100%理解すること
第三に、学習内容を100%理解することが前提となります。
早稲田大学の合格を狙う場合、高校1年生・2年生の学習範囲を丁寧に復習している時間がありません。
おさらいを兼ねて復習する機会があっても、再度同じ範囲に戻って理解度を確かめることはできないと考えておきましょう。
そのため、一度習ったことはその場で確実に理解し、自分の知識として習得していく必要があるのです。
とはいえ、勉強していない状態から一発で全て理解するのは難しいでしょう。
一度で理解できなかった部分は学校の先生・予備校講師・チューター・インターネット上の情報・参考書などをフル活用し、その日のうちに解消するよう意識します。
翌日に持ち越すと理解がどんどん遅れてしまうため、特に注意が必要です。
早稲田大学合格に向けた勉強法
最後に、早稲田大学合格に向けた勉強法を解説します。
季節ごとにやるべきことを網羅していくため、今後早稲田大学の受験を検討している方は参考にしてみましょう。
4月~6月
受験を意識して勉強し始める4~6月は、大量の学習時間に慣れる時期でもあります。
生活リズムを整え、毎日10~11時間程度の勉強に耐えられる集中力を養っていきましょう。
また、英単語や古文単語など「知らないと解けない」「暗記量が膨大」なものから優先的に着手し早稲田大学以外にも通用する基本的な知識を獲得していく必要があります。
7月~9月
徐々に模試を受け始める時期ですが、この時期の合格判定は気にしなくて問題ありません。
この時期に高い合格判定が出る場合、早稲田大学はもちろん他の難関私立大学や国公立大学も合格の範囲に入ってきます。
この時期は、自分の得意科目・得意分野に集中して勉強することが大切です。
得意な部分を伸ばして学習に自信が持てれば、学習量が増える夏を乗り切るモチベーションにもなるでしょう。
10月~12月
秋に差し掛かったころは、実践問題にチャレンジします。
知識のインプットではなくアウトプットに重きを置き、とにかく問題演習を繰り返していきましょう。
特に早稲田大学の過去問はもちろん、同レベルの他大学の過去問を解きながら実践力を上げていくことが欠かせません。
シンプルでわかりやすい問題を大量に解いて正答率と解答スピードをあげたり、応用問題に挑戦して出題パターンを知ったりすることがおすすめです。
一度でも間違えてしまった問題は必ず記録し、何度チャレンジしても100%解けるようになるまで反復することも大切です。
1月~受験
1月を過ぎていよいよ受験が近くなってからは、過去問演習に加えて苦手分野の強化をおこないます。
特に早稲田大学では、数学や物理のように広範囲の出題がされることが多いです。
また、日本史・世界史のように時代を横断した問題が扱われることもあり、独自の対策が必要です。
分野を偏ることなく早稲田大学用の学習ができていれば、逆転合格の可能性を上げられるのです。
まとめ
早稲田大学は、小学校・中学校時代からきわめて優秀であってごく一部の人だけが合格する大学ではありません。
受験10ヶ月前から勉強をはじめて合格できる人もおり、的を絞った適切な学習計画と実行力があれば誰にでも手が届く大学なのです。
早稲田大学に特化した学習カリキュラムがあればより合格の可能性を上げられそうですね。